三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2021年7月11日

尾鷲市と尾鷲商工会議所、中部電力でつくる『おわせSEAモデル協議会』が進める、尾鷲三田火力発電所と関連用地の跡地活用の一環として、鈴鹿市のコンサルティング会社(株)ホークアイが、尾鷲ヒノキを使った施設型サウナの誘致を提案!
昨年11月からプロジェクトを立ち上げ、このほど、「木を浴びる」をテーマにしたプライベートサウナの試作品第一号を完成させました!
オール尾鷲をうたったこのサウナは、外装や内装に尾鷲ヒノキを使用。
又、尾鷲の三木里地区でとれる花こう岩を使ったサウナストーンに尾鷲ヒノキの生葉から抽出したエキスをかけて蒸気を浴びるロウリュウを楽しむことも出来る。
製作には、市の職員や地域おこし協力隊、地元の林業関係者など、様々な分野のプロたちが集結しました!
今後更なる改良を加え、商品化と施設誘致を目指します!

後ろに見えるのは、『おわせマルシェ』。
今年3月に、尾鷲市にオープンした全天候型・常時営業のマルシェで、開業前にその様子をご紹介しました。
現在はどうなっているのでしょうか?

 

「徐々に地域の人たちにも知ってもらえて、お客さんがよく来てくれてるっていうような状況です。
もっと店舗エリアに棚を増やして雑貨を増やしていこうと考えています。
カフェの方も、メニューを充実させていきたいと思っています」

と、『おわせマルシェ』代表の小倉裕司さん。

 

そして御覧ください。
マルシェの敷地内にあるものが設置されています。
実はこれは尾鷲ヒノキで作られた、サウナだそうなんです!

 

「『尾鷲式サウナ製作プロジェクト』の㈱ホークアイ・伊藤と申します。
よろしくお願いいたします!
これは尾鷲ヒノキで作られたプライベートサウナです。
尾鷲市の地域資源である尾鷲ヒノキとですね、あと、尾鷲でとれる石を使って、純度100%尾鷲のプライベートサウナを今回作ったんです!」

それはすごい!
ぜひ入ってみたいです!

 

尾鷲式サウナ『COCO SAUNA』。
「木を浴びる」をコンセプトにしたプライベートサウナ。
外装・内装全てに尾鷲ヒノキを使用し、昨年11月から開発に取り組み、今年2月に試作品第一号が完成しました。
これはその完成第一号。

 

「そもそもその尾鷲ヒノキ全てに囲まれているので、この空間だけでもとても癒し効果があるのですが、今回我々がこの尾鷲式サウナで一番こだわった所は『生感』です。
その一つがですこちらの『生木』。
いわゆる建材は乾燥させるのですが、この木は切りたてのままの木です。
なので、水分がものすごく含まれていまして、サウナの熱で水分を蒸発させて、その水分を感じるサウナとなっているんです」

 

「もうひとつのこだわりが、尾鷲の山のヒノキの葉と、ヒノキの葉から作った『ロウリュウ液』です。
サウナの上に尾鷲の三木里という集落から採れる石を使ったサウナストーンをあたためています」

 

「このストーンに液体をたらして蒸発させると、熱波が出るので、その熱波を体に浴びます。
これもサウナの浴び方の一つなんですが、尾鷲の生葉を使うことによって香りをさらにプラスしています。
追いヒノキという感じですね!」

 

すごい、一気に汗が出ます!
酸味がある、柑橘系の香りがします。
そして少し時間が経つと木の香りがして、気持ち良いです!

「そうなんですよ!
何よりも音とかも楽しめるのが非常にロウリュウのいいところだと思っています。
まさに今『生尾鷲』を体感しているということですね!」

そもそもこの尾鷲式サウナの制作をされている『ホークアイ』とは、どんな会社なのでしょうか。

「我々はもともと、企業様に対するコンサルティングをやっていたのですが、自分たちが生まれ育った地域、三重県、周辺の地域の課題を解決していきたいと思っていまして、新しい地域資源の掘り起こしを事業として進めています」

 

「このプロジェクトは『おわせSEAモデル協議会』、尾鷲にある中部電力の発電所跡地に、いかに人を呼び込んでくるかという所からスタートしています」

中部電力の『おわせSEAモデル協議会』窓口の尾鷲市の濵田一多朗さん。

「特に我々が担当いるのは『S』のサービスの部分です。
19万坪という広大な中部電力の跡地を地域活性化に繋げたいという思いで、サービスによって集客交流人口を増加させたいと思っています。
特に跡地活用は、地域にあるものをいかに循環して持続的に回すかということが非常に大きな価値であります。
尾鷲でサウナは馴染みがありませんが、尾鷲の材を使ったり、都会で今流行っているものを尾鷲でも使える、作れるということに一つの可能性を見てホークアイからの提案に共感をしました。
作ったものが全国に発信される、又、跡地に対して人が呼び込めることで多くの人の繋がり、関係人口も含めた繋がりが広がっていってほしいです」

と、濱田さん。

「サウナを作るとなったときに、やはり地元の方と一緒に作っていきたいと考えていました。
そこで地域おこし協力隊として活躍している木工師の郷橋正成さんに製作を依頼し、座組を組んでいるのが『尾鷲式サウナ製作プロジェクト』です」

と、伊藤さん。

 

「尾鷲はやはり、尾鷲ヒノキが有名で、僕も木工やるなら尾鷲と思い来ていました。
こういったご提案があってとても良いタイミングで参加させてもらいました。。
尾鷲の大工の方々とか林業の方々からたくさん知識や知恵をいただいて、なかなか良い形のものが出来てきているかなと思っています」

と、郷橋さん。

「他にも大きい部分では、尾鷲市の林業の協議会に関わる方々複数名に、このプロジェクトに参加していただいています。
また、地域外にはなりますが、尾鷲ヒノキを普段使われている設計士さんや、アドバイザーとして普段からサウナに入られている方やインフルエンサーの方にも参加いただいています」

と、伊藤さん。

 

さて、次は尾鷲市林業振興協議会・会長、畦地さんの『畦地製材所』にやってきました。
たくさんの木材が並んでいますね!
なんとこちらに、尾鷲式サウナのヒントがあるそうなんです。

 

それがこちら!
木材の乾燥室です。
乾燥室自体が、すべて木材でできています!

「そうなんですよ!
ほんわりあたたかいでしょう。
この香りや水分は、もともとこの木が持っていたものが乾燥の熱で放出しているんです。
この香りと水分が肌に馴染みが良く、香りも非常に心地良いということで、設計士さんがこれをサウナに応用できるのではと。
尾鷲式サウナのキーとなる要素を、この乾燥室に着想を得て応用しているんです」

と、伊藤さん。

 

「実際に私のところで、お施主さんにサウナのような形で体感してもらうということをしていたので、間違いなくそれは上手くいくだろうという確信を持っていました。
木材を広める良いチャンスだと思いまして、是非やらせてほしいと申し出ました」

と、畦地さん。

「僕たちサウナは好きですが、木の調達や製作に関しては素人です。
なくてはならない強力な連携をした上で、これからも進めていきたいと考えています」

と、伊藤さん。

 

この日、尾鷲式サウナ製作プロジェクトのメンバーが集まり、今後の計画について打ち合わせ。
試作品はあくまで、スタートライン。
プライベートサウナとしての商品化を経て、さらに熱く、地域への想いをたぎらせていくのです!

「絶対正解というのはないと思うので、安全面だけは担保した上で、いろいろななやり方でいろいろなことを試して、商品になってからもどんどん改良を加えていきたいです。
一つの町おこしというかブームになってくれて、各地域でこういう動きも出てきて、面白いですよね」

と、郷橋さん。

「全国のサウナ―の手に届いて欲しいですし、そうなることで地域の林業の活性化…ひいては日本全国の林業の活性化、それを目指して広まっていけばいいなと思っています」

と、畦地さん。

「これは本当に第一号なので、とにかくまず箱を作ってストーブ入れてサウナにしてみましょうっていうところで作ったものです。
デザイン部分や耐久性、今後経年劣化がどう進んでいくか、それを防ぐために何ができるかを検討しているところです。
プロのサウナ―の人たちに受け入れてもらえる使用感にしたいですし、サウナにあまり足を運ばなかった人も、気持ちが良いと思えるようなサウナにしていきたいです。
商品として届けるのはもちろん、これをきっかけに尾鷲の人たちと関係をしっかりと築いて、サウナに限らず、だんだん周辺の産業にもしみ込んでいくような事業を、自分たちで作り上げていきたいです。
それが僕の夢ですね!」

と、伊藤さん。

試作品第一号も完成し、熱く盛り上がってきた『尾鷲式サウナ製作プロジェクト』。
それを大きく前進させた唯一無二の存在。
それが尾鷲の林業家を始めとしたみなさん。
まさに、人、モノ…オール尾鷲で夢の実現へと突き進みます。